「そうだ。ユズリはさ、生まれ変われるなら何になりたい?」
いつも突拍子もない事を訊いてくる先生。今日はまた一段と奇妙な質問だなと思った。けれど。それでも私は真剣に考え、小さく呟く。
「先生、みたいな人」
――後悔。
言った傍から、顔面に集中的にカアッと熱が集まるのが解った。なんだこれ。恥ずかしい。なにより、本当にキャラじゃない。
「……ち、違う、ナシだ!今のは、っ!」
絡めとられた腕が、
「自分でもビックリするぐらい嬉しいんですけど。だから、ナシとか言わないでよ」
体温が、心音が、心地良い。
「先生がこんな事をしても良いのか?」
ドクドクと煩い心臓に叱咤して、冷静を装う。だって、なんだか悔しいじゃないか。
そんな私の心の葛藤を知る由もない先生は、更にぎゅうと腕の力を込める。離そうともせず、縋るように。ただただ強く抱き締めてくる先生に、違和感を覚えた。
不安に、なる。
「……先生?如何し…」
「ウーン、やっぱり拙いかあ。でも、せっかくだしチューもオマケにしとく?」
頭ひとつ分、上から降ってきた軽薄な声。
「…っ!このクズ野郎!」
思い切り突き飛ばして、声を荒げた私は間違ってないと思う。人が真面目に心配してやったというのに何て奴だ。しかも、突き飛ばされてもヘラヘラと笑っている。
「あはは、ごめんごめん」
「……帰る」
「え!ちょ!ほんとごめんって!」
「もう知らん」
「なあ!待ってよ、――ユズリ」



