断罪校則

翌日の放課後、善は急げと。

早速俺達は矢木さんと接触する事にした。呼び出した場所はお馴染みの屋上。

「来てくれっかな?」
「いや、確実に来るでショ」

「…ええぇ?なにその自信」

もしかしたら無視されるかもしれないな。なんて、マイナス思考が先行している俺とは反対に、和也がやけに自信満々に言い切るもんだから。逆に不安になる。

そう言えば、

「メールの内容、見てねーや」

メールを作成したのは和也。一体どんな風に文字を並べたら、この強気な発言が出来るのだろうか。うん、おバカな俺じゃ一生思いつかないような内容なんだろうな。

まあ、気長に待つか。と、和也の隣に腰を下ろそうとしたその時。――扉が、開いた。




「ふざけた事をしてくれるな?」

この声は、気配は、

間違いない。彼女だ。――矢木、ユズリ


「フザケてなんかないよ、矢木さん」

穏やかな口調なのに表情は硬く厳しい。俺の存在は置き去りに、いつの間にか睨み合う形になっている二人の間では声を掛ける事も叶わず。ただオロオロと情けなく視線を彷徨わせるだけだった。

気温が下がったような。凍てついてしまったような。嫌な空気が漂う。

「成程な、首謀者は君の方か」

睨み合いのさなか、先に声を発したのは矢木さん。そんな矢木さんに対して、和也は何も言わずに先程とは打って変わって完璧な笑みを浮かべていた。

「……嘘臭い笑顔だな?」

髪を掻き上げながら、彼女も冷ややかな微笑を見せる。これは挑発だろうか。

「嘘臭くて結構。それより此処へ来てくれたって事は話をしてくれる気なんでショ?」

親友の。

いつもの、日々聞き慣れた声に騙された。勝手に安堵して。騙された。