正直に白状しよう。
今日の授業の内容なんて、何ひとつ頭には入ってこなかった。まあ、それはいいとして。俺は今のこの状況が気になる訳で。
「なあ、和也。何だって体育館の中をコソコソ見なきゃなんねーんだ?」
放課後の体育館。
体を屈めて小声で問いかけると、和也は口に指をあて『静かに』のポーズを維持したまま、スタスタと歩いて行ってしまった。
ワケが解らない。
取り合えず俺も、人目を気にしながら後を追いかける。一方の和也は体育館の端の小窓の前で止まり、控えめに其処を叩いて誰かに合図を送っているようだった。
うん。ますます訳が解らない。そんな疑問符が頭の上に浮かんでそうな俺に向かって、和也はニッコリと笑みを浮かべながら窓の方を指差す。
そして、
「瀬乃センパイ、笹原です」
そう、ハッキリと言って。再び窓を叩いた。この時、漸く俺は理解する事が出来た。和也のしようとしている事に。和也の企みに。
「和也君?それに亜貴君もぉ?」
体育館の中から、ひょっこりと器用に顔だけを覗かせる先輩。心なしか少し痩せているように見える。
無理もないか。鈴木先輩があんな風になってしまって。そりゃ、一番堪えているのは瀬乃先輩の筈だ。それでも、
俺達にだって退けない思いがある。
「こんにちは先輩。少し、時間貰えませんか?」
こんな突然の言葉にも関わらず、先輩は首を縦に振って窓を閉めた。
今日の授業の内容なんて、何ひとつ頭には入ってこなかった。まあ、それはいいとして。俺は今のこの状況が気になる訳で。
「なあ、和也。何だって体育館の中をコソコソ見なきゃなんねーんだ?」
放課後の体育館。
体を屈めて小声で問いかけると、和也は口に指をあて『静かに』のポーズを維持したまま、スタスタと歩いて行ってしまった。
ワケが解らない。
取り合えず俺も、人目を気にしながら後を追いかける。一方の和也は体育館の端の小窓の前で止まり、控えめに其処を叩いて誰かに合図を送っているようだった。
うん。ますます訳が解らない。そんな疑問符が頭の上に浮かんでそうな俺に向かって、和也はニッコリと笑みを浮かべながら窓の方を指差す。
そして、
「瀬乃センパイ、笹原です」
そう、ハッキリと言って。再び窓を叩いた。この時、漸く俺は理解する事が出来た。和也のしようとしている事に。和也の企みに。
「和也君?それに亜貴君もぉ?」
体育館の中から、ひょっこりと器用に顔だけを覗かせる先輩。心なしか少し痩せているように見える。
無理もないか。鈴木先輩があんな風になってしまって。そりゃ、一番堪えているのは瀬乃先輩の筈だ。それでも、
俺達にだって退けない思いがある。
「こんにちは先輩。少し、時間貰えませんか?」
こんな突然の言葉にも関わらず、先輩は首を縦に振って窓を閉めた。



