断罪校則

微かに震える指先。

差出人不明の、気味が悪い文章。誰かの悪戯にしたって、これは性質が悪過ぎる。

「ふざっけんなよ!」

思わず力任せにベッドに投げつけた。

瞬間、

再びスマホが激しく振動する。それと連動するかのように、自分の心臓も激しく動き出してしまって。音が、空気が、煩い。

「くそ、何なんだよ…」




>>現実カラ逃ゲルナ、モウ一度ダケ言ウ、コレハ警告ダ・・・


手の平から滑り落ちたスマホが、新調したばかりのふかふかのラグの上に音もなく着地する。だから、悪戯にしては性質が悪過ぎるって。マジで。

悪足掻きと解っていながらも、クッションで押さえつけて存在を隠してしまえば。三度、携帯が激しく振動した。

止まらない。
止まってくれない。

もういっそ電源を落としてしまおうか。そう思い立ち、恐る恐るクッションを持ち上げて覗きこむと。その先には見慣れた名前がチカチカと表示されていた。

「和也?!なあ、ちょっと聞いてく……え?」

どうやら、この得体の知れない恐怖体験をしていたのは、自分だけでは無かったみたいだ。

「お前も来たのか…」


――警告メール

一体誰が何の目的で、俺達にこんなものを送ってきたというのだろうか。内容も受信時刻も全く同じだという事に、ゾクリと背筋が震える。

「とにかく、詳しい話は明日にしようぜ」
『そうだネ。明日は練習試合だし、外で…の方が良いか』
「…だな」
『ん』

「じゃあ」

話したい事は山ほどあった。それでも俺達は、早々に通話を終了した。何故だかわからないけれど。この会話でさえ把握されているような。そんな気がしたんだ。