断罪校則

コツ、コツ、

再び歩みを進めはじめた校長は、格子付きの小さな窓の傍でそっと足を止める。







「今夜は月が綺麗ですね、――和也」


やんわりとした月明かり

薄暗い部屋に差し込む光の帯

静かに揺れる空気と

穏やかな時間の波

その柔らかな光に照らされた頬には

一筋の涙が流れる


「……そうだネ、父さん」

部屋の中では、二人を慰めるように。二人が人生を賭けて死ぬまで戦おうと決めた。世界を変えようと決めた。

もう二度と蘇らない愛しいあの子が好きだった、優しいオルゴールの音色が、

「あかり、」

ただただ、流れていた。

「お兄ちゃんとお父さん、…頑張るからネ」
















 
――そして、

二年後の春

全ての学校に【七つ目の校則】が布かれ

犯罪の芽は静かに摘まれていったと謂う
 
 
 
【完】