私はふとため息を吐く。

学校帰りに気が進まず、少し寄り道をして帰る事にしたのだ。

 今日は微妙な空気のまま一日が終了した。
 明香もクラスメイトの妙な空気には気づいていたが、深く追求することはせず軽く流していた。

 一方の絵里子は時間の経過につれ、表情が暗くなっていった。一目で落ち込んでいるとわかるほど、だ。

 教室の鍵は学校の中庭にあるゴミ箱の中に捨てられていたそうだ。
 中庭は放課後になると人通りが少なくなるため、今のところ誰が置いたのかという目撃情報は伝わってこなかった。

 ただ、部外者がそんなことをするとさすがに目立つため、この学校の生徒の誰かがしたのだろう。


 いろいろ頭を悩ませる要素はあるが、考えたって答えがでるわけはない。

芽衣にあんなことをした彼女たちを庇うつもりもさらさらない。なのに、心の奥が重いのだ。


 直接的な被害者ではないからこそ、そう思ってしまうんだろう。
 芽衣は今の彼女たちを見て、どう思うんだろう。