明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。

「ちょっと奇妙なメール送ってこないでよ。気味悪い。あんた私と友達になりたいの？」

　鼻で笑ったセリフにムッとしながら、優香を見た。


「奇妙なメール」

　送っただろうか。それ以前に私が優香にメールを送ったのは昨日しか記憶にない。まさかそのことを言っているのだろうか。


「私は保田さんからのメールに返事を送っただけだよ。間違いだろうとは思ったのだけど、一応ね」

「あんたにメールなんて送ってないよ。頭大丈夫？」

「だって届いたよ」

　私は口で説明するより見せたほうが早いと携帯で昨日届いたメールを表示して、差し出した。

「何、これ」

　優香の顔は私が見て取れる程青ざめている。彼女は私の携帯をテーブルの上に置くと、自分の携帯を操作し始めた。だが、彼女の顔がより青ざめる。唇は青くなり血の気が引く。

「あれ、おかしい。何これ」

　優香の瞳に涙が浮かんでいた。


「そういえば、私も昨日保田さんからメール来たよ。間違いだと思って返事しなかったけど」