彼女は腰に手を当て、私を射抜くような目でにらむ。その手には携帯電話が握られている。

「何？」

「廊下に来てよ」
「何？　ここじゃダメなわけ？」

「当たり前よ」

　明香は強い口調でそう言い放つ。

　何が当たり前なのかさっぱり見当もつかないが、私は明香に連れられ廊下に出ることになった。

　廊下に出るとき、好機の視線が明香に向けられているのに気付いた。恐らく何人かがあのサイトにアクセスしたのだろう。

　明香は廊下に出ると、携帯電話を差し出す。

「これ、あなたの仕業？」

　その携帯電話に表示されたページはさっきあゆみに見せてもらったページだった。

　だが、私には明香の言葉の意味が分からない。

　明香のサイトなんかに特別興味はないし、それを言い広める理由もない。

「あなたのサイトがどうしたのよ。何か悪戯でもされているわけ？」

「こんなサイト知らないわよ。あなたがこんなものを作ったのでしょう？」

　私は予想外の言葉に明香の顔を見た。