優香は顔を強張らせた。

 そして少し間を置いて頷く。

「その後ストラップはどうしたの?」

 彼女の携帯にはストラップがついていなかった。

「知らない。私たちは屋上に入ってないし。それに隠したのは明香さんだもん」

 あゆみはそのまま部屋を飛び出した。

 多分、二人にとってとても大事なものだ。お揃いというくらいじゃない。

それはあゆみと芽衣のしているストラップは同じものなのに、全く見た目が違って見えるのが関係しているのだろう。

「あの子、どうしたの?」

「多分、探しに行ったんだよ。ストラップをね」

「もうなくなっているよ」

「それでも見つけたいんだよ。大事なものだったの。隠されても、罠だと分かっていても探してしまう程に」

 その言葉に、優香の顔が引きつる。

「それを探すために、転落したの?」