岡部君を手分けして芽衣を好きだという人にもあたったが、彼らは芽衣の死に心を痛めていてもここまでの行動を起こすようには見えない。

 そして、女子もそうだ。

「明日以降、何も起こらなければいいけどな」
「そうだよね」

 私たちは浮かない顔で、別れた。

 私は日差しの弱くなった太陽を見て、足を止める。

 芽衣のためにここまでする人。

 どう足掻いても、私には芽衣の両親と、松下さん以外思い浮かばなかったのだ。

 だが、芽衣の両親はもうこの町にはいない。父親の会社には当たれば会えるかもしれないが、そこまでするのは避けたかった。

 だから、私は松下さんにまず会ってみようと考えたのだ。

 彼には私が犯人でなかったとしても私の知らない芽衣の交友関係を知ることができる可能性を秘めていたためだ。