「Mさんにも体を使って取り入ったんじゃないの? やっていることは早そうだもん。中絶したことるって噂も聞いたよ。投稿者T。あの女、O君に色目使っていたんだよね。気持ち悪い。それに乗るO君もだけど。投稿者N」

「大垣、お前の事じゃね? お前って永田のこと好きだったよな」

 その言葉に慌てた大垣君がその二人のところまで行く。
 そのメモに目を通すと、顔をひきつらせた。
 
「好きだったけど、永田はそんなやつじゃねえよ」

 大垣君がそのメモ自体を奪うと破ってしまった。

 その欠片を亜紀子が拾う。

「NとかTとかって誰だ?」
「中井とか、田中とか?」
「というより、SAYAが古賀明香で、Mが永田芽衣なら、メンバーはどうせ、御手洗、渋田、加古川、保田とかそのあたりだろう。イニシャルはM、S、K、Y。ブログのイニシャルはT、N……。違うか?」

 その時、岡部君が三人のところまで行き、メモをのぞき込む。

「これ、イニシャルが一つずれただけじゃね? 御手洗がNで、渋田がTで」
「お前、勉強以外のことは、頭が働くな」

 榊原君は驚きをあらわに岡部君を見る。

「以外は余計だって」