「ねぇー、喋れないってどう?

楽しい?生きてて。………きゃはは。」


楽しいよ。


些細なことだけど、それが青かったりジョナが寝てたり、美波ちゃんの のろけ話聞いたりするのは、楽しいよ。


生きてて良かったって思うよ?


なんで、他人のアンタたちに…?


言われないといけないの?!


あたし……。


―ガンッ


後ろで大きな音がした。


振り替えると、
美波ちゃんが立っていた。


でも、その瞳は、
明らかに怒っていた。

「アンタら!陽翔になにしてんの?!」


「げ。リカ不味いって。行こ。」


リカとチカは、走っていった。


二人が去っていったあとに美波ちゃんは
あたしの前にたって優しい声でいった。



「怖かった?
ごめんね、遅くなって…。無事で良かった。」


そしてそっと、抱き締めてくれた。
あたしは、母にも抱き締められた記憶がない。


だから人の体温が、暖かく感じた。


優しくて。なんか泣きたくなったんだ。


泣けないのに……ッ。