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放課後の教室はザワザワ。

あたしは、そっと後ろの扉から

バレないように逃げるように出る。


「はーるーひーちゃーん?」


―ギクッ


「逃げるなんてことしないよね?陽翔?」


滅相もありません。ってことで。


いや、分からないだろうけど。


喋れないからね!!!!!!!!


ふと、喋れたときのことを考えてみた。


幸せだよね。


今までは、喋れなくても、いいと思ってばかりいた。

でも、美波ちゃんとも会話がしたい。


長年自分の声を聞いてない。


あたし、喋りたい。
でも、喋れないー…、


「陽翔?行くよ?」