確かに、真守さんのから…真守さんの服から…さっきすれ違った女の人の匂いがした。

…キューっと胸が苦しくなる。

別に付き合っているわけじゃないから、どーこー言えない。
でも、嫌な予感はしてた。

女の人に会ったときから…。


「ほな、ちょっと行ってくるわ。大学のサークルの仲間にちょっと呼ばれてな」

「あ、わかりました」

…サークルの仲間って、さっきの女の人ですか?

「ご飯一応作ってあるから温めて食べてな、しっかり鍵締めてな。先に寝ててええから」

それだけいうと、真守さんは行ってしまった。
静まり返るリビング…
二人でも十分すぎる広さのリビングに一人になるとさらに心細くて。

キッチンに行って、ご飯を用意しようとしても…なんだか食欲がわかなくて。