「教えてくれなかったの?って…高校の人達はわかんないと思うけど、幼稚園から中学校のときの人はみんな知ってたと思うよ?だって、千聖わかりやすいじゃん?」

え、みんな知ってたって…

「そんな前から私のこと?」

話を聞く限り幼稚園の頃からなんだよね?
それってなんか私…ひどい人だよね。
千聖なんかごめん。

「そうだよ、気づいてないの柑菜だけだと思う……あ、噂をすれば千聖だ」

ドアのほうを見ると、
千聖が眠そうな顔で登校してきた。

昨日の今日だからなんか、気まずい。

「千聖〜、おはよー」

「ちょっ、悠梨っ」

私は慌てて、悠梨を止める。

も、もう終わりだ…っ。

あれ?
千聖は、悠梨に挨拶もせずに静かに席に座る。