そんな中 俺は、気付かれないように伏見を探す。 …見つけた。 一つに束ねた髪の毛。 少し恥ずかしそうにしている。 やっぱり、似合わない。 けれど、誰より可愛い。 ーー『また、してくる。』 恥ずかしそうにうつむいた伏見の顔を思い出す。 こんな些細なことにも、思い出が蘇ってきて、胸が締め付ける。 前を向き直り、再び机を磨く。 次々と湧き出てくる苦しみを消し去るように。