美味しいお節料理とお雑煮でお腹がいっぱいになった頃。

のんびりと寛いでいたユウのシャツの袖を、レナがツンツンと引っ張る。

「ん?どうした?」

「一緒に行って欲しいところがあるの。」

「ん?いいよ。」

ユウとレナは`アナスタシア´で一緒に買ったコートを着て、お揃いのマフラーを巻いて出掛ける事にした。

「あら、二人とも素敵なコートね。」

新しいコートを着た二人の姿に、直子が目を輝かせる。

「うん。ユウに買ってもらった。」

「よく似合うわねぇ…。」

「リサさんの作った服だから。」

「“大事な人に着せたい服”が、私の作る服のコンセプトだからね。これからまた楽しみが増えるわね。」

そう言って、リサは嬉しそうに笑った。