夫婦の定義──君が僕のすべて──

「そうだ。さっき、髪切る道具買ってきたんだ。ここで切っちゃおうか?」

レナは少し驚いてユウを見る。

「そうしよ。家だと思って好きにやっていいって言われてるから。」

ユウの言葉にレナがうなずくと、ユウはスタッフに話して、さっき買ったばかりの道具を持って戻って来る。

「いいって。じゃあ、ここに座って。」

ユウはレナをイスに座らせると、肩にケープを掛け、櫛でレナの前髪をとかす。

「このくらいの長さでいい?」

鏡を見てレナがうなずく。

ユウは慣れた手付きでハサミを持ち、レナの前髪を切り始めた。

“上手だね”

「そうだろ?ほら、かわいくなった。」

レナは鏡を覗き込んで、少し笑みを浮かべた。

そして、背中の真ん中辺りまで伸びた髪を指でつまんで、何か言いたそうにしている。