夫婦の定義──君が僕のすべて──

レナはお風呂から上がると、ソファーでビールを飲みながらアコースティックギターを弾いているユウの隣に、そっと座った。

「ん…?」

ユウが優しい目でレナを見る。

「聴きたいの?」

レナが小さくうなずくと、ユウは嬉しそうに微笑んで、ギターの弦を弾く。

ユウのギターは優しいメロディーを奏でた。


(あ…この曲…。)

ユウのソロ曲『嘘つきな君と僕』だった。


自分の知らないユウがいる事に、気付かないふりをして笑っていた。

傷付くのが怖くて、知らなくて済む過去なんか知りたくないと、耳を塞いだ。

ユウに気付かれないよう、一人で泣いていた。

そんなレナに、もう一人で泣かないで、思いっきり泣いても怒っても責めてもいい、もう無理して笑ったりしないで、どんな君も愛してる、とユウは歌ってくれた。


(こんな私じゃ…ユウを困らせて苦しめるだけだよ…。こんな私なんかより…ユウを愛して幸せにしてくれる人、たくさんいるよ…。)

レナはポロポロと涙をこぼした。

「レナ…?」

ユウはギターを弾く手を止めて、優しくレナの頬に流れる涙を拭う。