夫婦の定義──君が僕のすべて──

再びリビングに戻って来たマユは、座り込んでどこかに電話を掛け始めた。

事態が飲み込めず、レナは混乱した頭で目線をさまよわせる。

(何?!何が起こってるの?)


電話を切ったマユが、少しつらそうにレナの顔を見て呟いた。

「破水した…。レナ、悪いけど病院に連れてってくれる?」

(は、破水って何ーっ?!)

オロオロしているレナの手をギュッと握ると、マユは少し無理をして笑い掛ける。

「レナ、落ち着いて。大丈夫だから。」

「う、うん。とにかく、病院ね?」

「うん、お願い。」


レナは大きく深呼吸をくりかえし、片手にマユの荷物を持ち、もう片方の手でマユを支えながら歩く。

(とにかく落ち着かなくちゃ!!私がマユを無事に病院へ連れて行かなくちゃ!!)