バスが一つ前の交差点に止まっているのが見えた。 急いで小走りし、バスにぎりぎり乗れた。 財布、忘れないよね… そんな事考えながら、空いている座席を一つ見つける。 いつもと、何も変わらない日常を一瞬、感じる。 ふと、窓から外を眺めると、バスの横をすり抜けていく一つのバイクが見えた。 また、昨日の現実を思い出す。 マンションにわざと置いてきてしまった、私のバイク。 階段を駆け降りたとき、とっさに思った。 置いて帰ろう…って。