「あ、あの、人が見てるから」
「わかってるよだからなんもしねーけどさ」
……なんか、口調が。
急に荒くなった、気が……。
私そんなに怒らせちゃったのかな、とおろおろと片山さんを見上げる。
その後ろを、何事かと私達の方をチラ見しながら何人かが通りすぎて行った。
相変わらず片手は繋がられたままで、片山さんの親指がするすると手のひらを掻く。
不機嫌に眉根を寄せたまま、片山さんは少し目線を横に逃がして何かに迷ってるみたいだった。
「……片山さん?」
「綾ちゃんがマスターを信頼してるのは、傍から見ててもよーくわかるんだけどね?」
「は、はい」

