「それでは、本日より……」


 紫羽さんが優雅に椅子から立ち上がり、洋館中に響き渡る澄んだ声で告げた。



「花ノ木 藍亜さんを、ブラッディキャッスルの住人と認めます!!皆、良いわね?」


「「「「「かしこまりました!」」」」」



 洋館の一階の奥や二階から、合唱するように大勢の声が聞こえた。


 ヘラ様って……紫羽さんのこと?

 というか、ちょっと待って!!

 ブラッディキャッスルって、あの都市伝説で出て来る血塗られた城?!


「あ、あの!ブラッディキャッスルの住人になるってどういうこと……」

「鎌池 黄太くんを蘇らせたいんでしょう?命を取り戻すのなら、対等の価値があるものと交換するのが当たり前でなくて?」

「う……」


 都市伝説通りでは、

 大きな願いを叶えるため、自分の魂を捧げる代わりに、悪人の魂を百個集めて死神様に捧げる……

 悪魔の契約みたいなことをするけど、本当にあったんだ……