「いや、それはないと思うな。あの草壁三姉妹だよ?三つ子だよ?顔一緒なんだよ?髪色も灰色だし、目の色も青緑黄色なんだよ?あんな目立つのに気づかないと思うか?」

せやな、と一言言っただけで、水晶はあっさり引き下がった。

「他にも、天見より手前の席にはあの時はオレもいたし、カゴメもいたし、火影も水晶もいた。でも、あの人は天見を攫った……ということは、天見だけが持つ能力の方が目的だったと思うんだよ」

「!そうか!天見の能力!」

日和が思い出したようにバンっと床を叩いた。

「天見ちゃんの能力って、何なんだ?」

「天見の能力は……」

目を見開いたまま、日和はゆっくりと佐月の方を向いた。





「『死者蘇生』。天見は所謂、ネクロマンサーなのだよ」





「……え、それじゃ……」

「誰か、生き返らせたい人がいて、その為に天見をさらったのかも知れない。なんで戻ってこないのかは分からないがな」

死者蘇生……ネクロマンサー……そして、さっき写真で見えた『心』。

これらの情報だけのものだが、藜の推理はほぼ当たってると思う。