「……先生」

「お?氷雨?どした?」

今まで黙って自主練をしていた氷雨が、真剣な顔つきで間地先生に歩み寄る。

「伝言です。本クラスの先生方から大事な話が……耳を貸してください」

間地先生が氷雨の身長に合わせて、体を屈める。

ゴニョゴニョと何か耳打ちした瞬間、間地先生の表情が変わった。

さっと顔が青くなる。

「―――そりゃヤバイな」

「他の方々は既に体制を整えてます……先生も、今からでも準備を」

「言われるまでも無いさ……やってやんよ!」

何か大変な事があったらしい。間地先生はすぐに『空間』の能力を発動させ、足元に魔法陣のようなものを出した。

「悪いが、今日の授業これで終わり!各自自習してもいいし、寮に帰ってもよし!ただし、その際は論土の能力を使わせてもらうこと!良いな?!

言った瞬間、先生の姿は消えた。

「……氷雨、何があった?」

「藜先輩……あのですね……」