心見少年、音見少女。


最初に間違えたように見た目は女の子だが、その言動は明らかに男子になってて、もう間違えようがない。

「藜先輩、模造紙で攻撃の練習って……?」

「見てりゃ分かるさ」



「はいっ、始め!」

「火影、いきます!『火炎車』!」

間地先生の号令の直後、火影の両の手から放たれたたくさんの火の輪が、鼠花火のようにシュルシュルと模造紙に突進していく。

「おおぉ……」

皆の感嘆の声の中、模造紙の中央に綺麗に穴が開いた。

「水晶、いきますー!『ウォーターソード』!」

次に、水晶の人差し指から剣の形をとった水がかなりのスピードで模造紙を斬り裂いた。



「……と、まぁ、こんな感じで、能力で模造紙を破ったり穴を開けたりするんだ」

「あの、一つ質問いいですか、藜先輩」

「何?」

「少年漫画みたいに、技の名前を言いながら放つのはどういう意図が含まれてるんですか?」

「あー、ただ間地先生の趣味なだけ。やってもやんなくてもいいんだけど、その方がなんとな〜〜く気分がのる、気がする」

おいおい、そんなもんなのかよ。

思ったより軽い感じがして、佐月はなんだか気が抜けた。