さすがの近藤も一瞬耳を疑った

『山南さん、ご冗談を…
あなたの剣は素晴らしい…
こんな貧乏道場に居る事はない腕をお持ちだ』

山南は頭を上げず答えた

『近藤さん、私はあなたに貧乏道場の主でいるべきではない、一角の人物であると見ております
そのためにこの山南敬助、微力ながら尽力させていただきたいと存じます』

近藤は山南に寄る

『山南さん、頭を上げてください…
あなたは博識で剣術も素晴らしい
山南さんこそここに留まるような人物ではない
その力を国のために尽くすべきです』

山南はゆっくりと頭を上げる

『私の才は決して人の上で役に立てるものではありません
さらに言うと私が学んだ道場の主は、この国の一大事にも他人事でいる…
近藤さんは国に忠義を持ち、さらに人の上に立つべき才を持っている…』

そして近藤を見据える

『私はあなたに本気で付いていきたい
そう思ったのです』