自分の席着くと、通路を挟んで右隣の席に座っている男子が話しかけてきた。
「よろしく!」
運動部らしい短髪、ジャージっぽい素材の服。
やんちゃそうな、悪戯っ子っぽい笑顔。
活発で明るそうなやつだ。
「よ、よろしくね……?」
前の席から蚊の鳴くような声が聞こえた。
フワフワした長い髪の、可愛らしい小柄な娘。
頭にリボンをつけていて、パッと見、小五に見えない。
ロリ、という単語がピッタリ当て嵌まるような容姿の美少女がこちらをオドオドと振り返っていた。
「よろしく」
今度は、左から。
空席と通路を挟んで隣の席の男子が片手を軽く挙げた。
爽やかな感じで、端正な顔立ちだが、着てるシャツのボタンが盛大に掛け違っている。
残念なイケメン、というやつか。
「(あれ?そういえば、あたしの右隣が空席……、ここの席の子、どんな子なんだろう?)」
普通、誰も使ってないなら、端に寄せてあるはず。
たまたま今日、休みなのだろうか?

