「白鷺(しらさぎ)小学校から来ました!小柳 春亜です!
超幸運に恵まれてることが自慢です☆
目標はこの学校の生徒全員と友達になること!みんな、よろしく!」
ふざけてスチャっと敬礼する真似をすると、教室から笑いが漏れた。
(良かった、ウケた!)
「この学校は、三年生と四年生の間しかクラス替えをしないから、基本的に皆仲良しで優しいのよ。すぐ馴染めると思うわ。」
先生が優しく言った。
引っ越してきてから次の日の新学期、春亜は漣小学校の5年C組へ転校生としてやってきた。
前の学校の子達と離れるのは寂しかったが、それ以上に新しい友達ができると思うと、嬉しくてついテンションが上がってしまう。
「じゃあ、小柳さんは一番後ろの真ん中の列の、向かって右の席ね。」
担任の女の先生が、空席を手で示す。
「はーい!」
スキップ混じりに席に向かうと、クラスメイト全員が、春亜をアイドルを見るような眼差しで見つめた。
(なんだかいい気分♪)

