「……?」

あれ?誰かに見られてる?

背中にピリピリと視線を感じる。

視線の方を向くと、左隣の家。

少しくすんだ白い壁に、帽子の様な三角屋根。

魔女か吸血鬼が住み着いていそうな、広い二階建ての洋館。

その二階の向かって右側、つまり、春亜の家に面してる方の部屋に、白い肌をした子供が見えた。

黒いカーテンに身体が半分隠れていて、性別や年齢まではわからない。

「?!」

もしかして……お化け?!

一瞬そう思ったが、すぐに子供は部屋の向こうに姿を消してしまった。

「ちょっと、春亜!ボケっとしてないで手伝ってよ!」

「あ、はーい!」

考えるのは、あとにしよう。

春亜は母の元へ走っていった。