「何で楽譜があるの?!」
夏音が驚く。
茂呂が出したのは、数枚の紙。
五線譜と音符が綺麗に並んでいる。
「えぇ、舞衣は楽譜が読めないし書けないので、別の作曲家に協力して頂いたんです。耳コピという物ですね」
「……」
「さ、他に言い分が無いのでしたら、そろそろ失礼致しますよ。スケジュールも押してるので。警察には黙っておいてあげます。舞衣、支度を」
「……はい」
「待ってください」
楽久のセリフじゃない。
春亜はハッとして隣を見る。
季希がいない!
いつの間にか楽久の隣で茂呂を睨んでる。
「……何か御用でしょうか、お嬢さん?」
「その盗作疑惑の件、ボクの話を聞いてから終わりにしてくれる?」
強気に宝石の様な瞳を輝かせ、言い放った。
「この凍てついた事件は、ボクの季節風(モンスーン)で解(溶)かしてあげるからさ」

