サザナミ少年少女探偵団Ⅰ


「確か用件は、うちの舞衣が『ゆめうた』を盗作していること、でしたよね?」

「はい」

「逆じゃありませんか?貴女でしょう。盗作したのは」

咲久が怒りに満ちた顔で、観葉植物越しに茂呂を睨む。

「……ちょっと五発くらいぶん殴ってくる」

「待って待って待って!!落ち着いて咲久ちゃん!!」

指をパキパキと鳴らしながら、ふらふらと茂呂の所へ行こうとする咲久を、夏音と春亜の二人がかりで抑える。

咲久はパッと見大人しめな女の子だが、姉の事となると暴走しかけるシスコンのようだ。

季希は黙って舞衣と茂呂を見つめていた。

「季希も早く止めるの手伝ってよ!」

「あ、いや、ごめん……なんかあのマネージャー見覚えがある気がして」

え?

本当に咲久のような小学生の女の子に殴られただけですぐ死にそうな、死神みたいに細い男。

春亜には見覚えがない。

「ねぇ、舞衣。仮に貴女がこの歌を作ったとして。どうして歌詞の中にわざわざ『野菊』って入れたの?百合とか薔薇の方が綺麗なのに」

楽久が追い詰めていくように話し合いは進む。

「え、えっと……それは……」

たじろぐ舞衣。

「答えられないよね?だって『野菊』は私の妹の誕生日の誕生花なんだもん」