楽久と同い年のはずだが、童顔で背が高めな中学生にも見える。
その顔に施された化粧は薄く、ノーメイクでもイケるんじゃ無いかと春亜は思った。
醤油色の鮮やかな髪は、毛先の方がふわふわにカールされてる。
(今まで全然興味無かったけど、可愛いな……)
春亜は舞衣の隣で、三白眼気味の目でジロリと楽久を見る男に目を向けた。
塾の講師みたいな色白の肌、もしゃっとしたくせのある髪。
折れそうなくらい細い両手を顎の下に置き、肘をついてる。いかにも不健康そうな人だった。
「舞衣、スケジュールが押してるから、挨拶はその位にしておけ。
こんにちは、初めまして。私、舞衣のマネージャーの茂呂(もろ)といいます」
視力の良い春亜が茂み越しに目を凝らすと、渡してきた名刺には『茂呂 コウジ』と書かれていた。
さすがに、この距離では会社名等の細かい字が見えない。
「……お忙しい時期に呼んでしまい、申し訳ありません。軽部 楽久と申します」
威圧感のある自己紹介で、話し合いは始まった。
春亜は勝手に脳内でゴングを鳴らす。
軽部 楽久VS小野寺 舞衣、ファイッ!
カーン!

