ふむ、と季希は考えるように顎に手を当てる。
「楽久さん、あなたの誕生日はいつ?」
「え?……四月一日だよ。そこから、エイプリルフールで、嘘をついてだますって意味で、『道化師』ってペンネームにしたの」
鼓の手作りカナッペのお陰だろうか。落ち着いたようで、楽久の顔色は良くなっていた。
「ありがとうございます」
歌詞を書いたノートとは別の、小さいリングのノートに、季希は何やら書き記していく。
「咲久。お前の誕生日は、いつ?」
「え?私?!……十一月九日だけど」
いきなり名前を呼ばれて慌てつつも、咲久ははっきりと答えた。
「なるほど。これは使える」
「え?どういうこと?」
春亜が季希の横顔を見ながら尋ねる。
「……『野菊のように儚く……』って所……十一月九日の誕生花は、野菊だから……」
季希より先に、夏音がポソポソと答えた。
「なるほど!妹のために書いたって言えば、ちょっとは証拠になるかも!季希も夏音もすごい!」
「有力な証拠だね!」
「あとは、お姉ちゃんが舞衣さんとそのマネージャーさんとちゃんと話をすれば、解決じゃん!」
「あ!それと、楽譜見せるのはどう?」

