「構わないよ。人数いたほうが、証拠も見つかるかもしれないし」
むしろ、他に人がいた方が咲久は安心するらしい。
こうして、三人で夜園邸に向かうことが決定した。
そして放課後。
学校の近くの人気の少ない公園で、夏音と咲久、そして咲久の姉の楽久と合流した春亜は、こっそりと夜園邸へ向かった。
楽久は咲久と良く似た顔立ちをしていて、卵型の輪郭とそばかすが可愛らしい女性だった。
だが、顔色が悪く、猫背で姿勢も悪い。その上、長い茶髪もパサついている。よほど今回の件がショックだったようだ。
一緒に歩く途中、一度も口を開いてない。
「……ねぇ、春亜ちゃん。『魔女』ってそんなにすごいの?」
夜園邸に向かう途中、咲久が春亜に聞いた。
「うん!賢いし、超超超超超ーーーーー美人だし、お兄さんは探偵で、今イギリスにいるし、お母さんは名前知らないけどよく当たる有名占い師で、お父さんは警察関係の人で、なんか、ほんとにすごい子だよ!」
「……ふふ」
少ない語彙では、こんな説明しかできないが、春亜は心から季希を才能のある凄い子だと思っている。