「え?」
自分の部屋の窓から、何かが叩く音がした。
何だろうか。ここは二階だから、誰かがノックするわけない。
不審に思った春亜は、思い切ってカーテンと窓を一気に開けた。
「春亜!」
「季希!」
季希が、自分の部屋から春亜の部屋の窓を、百円ショップで売ってるような突っ張り棒で軽く突いていた。
二人の部屋は二階にあり、丁度向かい合うようになっているため、ここからでも会話ができるらしい。
季希の部屋の窓には、あの日見たのと同じカーテンが引かれている。
引っ越して来た時、春亜が見たお化けは、自室にいた季希だったようだ。
「これ!受け取れ!」
「え?ちょっ、わっ?!」
季希が投げたのは、糸電話の片方だった。上手く春亜のもとに届くように、おもりとしてパワーストーンが付いたブレスレットが巻かれている。
春亜は素早くそれを耳に当てた。
「さっきのニュース、見た?」
そして、紙コップの部分を口に当て、思っていたことを全て吐き出した。
「見た見た見た!!やばいよ!どうしよう!」

