「春亜ちゃん、季希に頼んだの、正解だったね」

いつの間にか、鼓が紅茶の入ったティーカップをトレイに乗せて持って来ていた。



「どういう意味ですか?」

「幸馬(こうま)……季希のお兄さんは探偵なの」

「そーなの?!」

ティーカップに口をつける直前、春亜は叫ぶ。

危うく、中のオレンジペコが波立って溢れるところだった。

「お父さんも警察関係の人だから、もしかしたらその血を受け継いでるかもしれないよ。だから、前にも行ったとおり、今まで探し物も見つかったのかも」

「そりゃ心強い!」

「ほんの少しだろうけどね。占い師である母さまの血のほうが多いと思うよ」

照れながら、でもどこか誇らしげに季希は腕を組んだ。



「何から手を付ける?私達でも出来ること、あるかな?」

なぜか当然のように鼓も参加している。

しかも、なんかワクワクしてる。

大人がいた方が良いから、春亜はツッコまないでおいた。

「まず、歌詞を見てみようか。もしかしたら、証拠になる部分が含まれてるかもしれないからね」