「煩いな、鼓姉。ボクになんか用?」
姿を現したのは……
「!」
可愛いより、美人より、綺麗という言葉がピッタリ当て嵌まるような美少女だった。
コスプレなのか何なのか、全身黒と紫の魔女っぽいひらひらした衣装を身に纏っている。ちょっと怪しげなスタイルだ。
血色の無い人形を思わせる真っ白な肌と対照的な艶のある黒髪は耳元の毛がちょっとはねてて、伏せた猫耳みたい。
闇色のオーガンジーのヴェールの向こうに光る黒真珠を埋め込んだ様な大きな瞳と、長い睫毛に整った顔。
この娘が、夜園 季希……
なんだか、直視出来ないくらい美しく綺麗な娘だ。
夏音も可愛かったが、季希とは次元がまるで違う。
季希が春亜の視線に気づいたらしく、こちらを向いた。
「何?お前が新しく引っ越してきた奴?」
「う、うん!あたし……」
「コヤナギ ハルア、だろ?」
「!!」
何で名前知ってんの、この娘!?
季希がチェシャ猫のようにニヤッと笑う。
「ちょっと占いで当てた」
「マジで!?」

