目標である『漣小学校の生徒全員と友達になること』を達成させるため、春亜は快く了解した。
「季ー希!!お隣の子挨拶に来たよー!!」
「季希ちゃーん!こんにちはー!はじめましてー!」
―――シーン―――
ドア越しに大声で呼びかけても、全く反応が無く、物音一つしない。
トイレに立ったのかとも思ったが、家の造りからして、部屋から出ればリビングにいた鼓と春亜が気づくはずだ。
まさか……
「もしかして、栄養失調とかなんかで中で倒れてるんじゃ……」
途端に鼓の顔がサッと青ざめる。
「あり得る!それはやばい!合鍵持ってくるね!」
鼓が一歩踏み出しかけた時、
ガチャ
ドアが開いた。

