「二年前の五月くらいから来てないんだっけか?」

「一緒にいると呪われるって噂もあったよね」


隣の席の子のことを聞きたかったのに、だんだん悪口に変わってきている。

何が原因でクラスメイトは彼女を悪く言うのだろうか。

春亜は純粋にそれを信じてみた後、聞いてみた。

「へー、魔女っ娘なんだ!すっごーい!ねえ、その子が魔法使ってるトコ、見たことあるの?」

「え?」

「そういや、無い……けど」

クラスメイトが少したじろぐ。


「えー?じゃ、なんで皆魔女だって言うの?」

「え、え~っと……」

「なんでって言われても……」

 

  キーンコーンカーンコーン



チャイムが鳴り、五分間の休み時間が終わった。

全員、春亜の質問から逃げるように、バタバタと自分の席につき始める。