願いの本

「何か喋ろよ!!」

冴は俺の目を真っ直ぐ見ながら言った。

「クスクス……一つ……言い忘れていましたね……」

「あ?」

「最初言ったこと覚えていますか? 叶える願いは一人一つ、叶った世界は戻らない……これを破った人にはペナルティが加算されます。ペナルティは暗黒の世界に落ちること……暗黒の世界とは地獄のことです。暗黒の世界に落ちたものは二度と生まれ変わることなく苦しみ続ける……クスクス……あなたはこれを破った、だからペナルティが加算されます」

なんだ?

言っている意味がわからない。

冴はこのセリフを一息で言った。

こいつは息をしているのだろうか。

ペナルティ、それが俺に出される。

地獄、どういうところだろうか。

わからない。

混乱している俺に冴は言った。

「では、楽しい旅を」

俺の体は冴の本に吸い込まれた。