「祐介、てめえ」
「んな怖い顔すんなよ、俺はなーんもしてないって」
「……莉緒、帰るぞ」
「えっ」
孝先輩は、私の手を取り、歩き出す。
先輩……?
顔をあげると、いつもの青色のパーカーが揺れていて。
あれ……孝先輩って、こんなに、背、高かったっけ。
こんなに見上げてたっけ。
「莉緒? ごめんな、急に手掴んじまって」
「え、いや、だ、大丈夫ですっ」
先輩の手……こんなに、大きかったっけ。
「……莉緒?」
顔に、熱が集まるのが自分でもわかる。
心臓が、うるさい。
先輩と一緒にいるのが、苦しいほど恥ずかしくて。
でも……嬉しくて。
私の中の孝先輩への思いが、熱くなる。

