放課後になり、私はいつもより少し早く教室を出た。
すると、教室の前に、井原先輩が立っていた。
「井原、先輩……」
「莉緒ちゃん、ちょーっと時間ある? お話しよ」
そうニコッと笑う井原先輩に、私は少し首を傾げながら、小さく頷いた。
井原先輩の後ろについていくと、着いたのは自動販売機前。
「莉緒ちゃん、何飲みたい?」
「え、い、いいですよ」
「いーから。今日のお昼、驚かせちゃったお詫び」
「……じゃあ、ココア」
私がそう言うと、井原先輩は「ぷっ」とクスクスと笑った。
「なんで笑うんですか」
「いやっ、ほんとに孝の言う通りというか、きいた通りだなって」
え……きいた、通りって。
孝先輩は、私のこといったいなんて言ってるんだか。

