「いってーなーにすんだよ孝」
井原先輩の後ろには、あからさま怒っている孝先輩が立っていた。
「お前は、何ぺらぺら喋ってんだよ」
「別になーんも喋ってねえって。デートコース相談されたり、コーヒーも大人っぽくみられるためにがま」
井原先輩がそこまで言うと、また孝先輩が井原先輩の頭を勢いよく叩いた。
「ったく、孝は暴力的だなあ。なあ、こーんな孝と毎日帰っててもつまんないだろ? たまには、俺と一緒に帰ろうぜ」
「ふざけんな。なんで、莉緒とお前が一緒に帰るんだよ。ほら、行くぞ。莉緒、ごめんな」
「い、いえ……」
井原先輩を引っ張りながら、孝先輩は行ってしまった。
なんか……あっけないというか。
あれ、私、孝先輩に告白されたんだよね。
キス……されたよね。
夢だったとか?
あのとき実感なかったし、あり得るかも……。

