「あれ、莉緒、ココア買ったんじゃないの?」
「……買えなかったの」
「なに、売り切れ?」
「……なんか、邪魔された」
「はあ?」
首を傾げる沙代に、私は詳しく言わないままお弁当の中身を食べ始める。
篠原、こうだっけしんだっけ。
なんなんだあいつは。
急に人のお金で別のものを買って、しかもそれを飲んで。
失礼にもほどがある。
お昼休み中ずっとイライラしたまま、午後の授業が始まった。
数学の先生が淡々と授業を進める。
そんな中、私はずっと校庭を眺めていた。
長谷川先輩……今日もサッカーか。
校庭で走り回ってる長谷川先輩は、めずらしくメガネを外していて、楽しそうに笑っていた。

