スワロウテイル

リコリスは、一体どこに住んでいて、どこの学校に通っているのだろうか。


リコリスと、いつでも気軽に会えると言う関係になりたい。


だけれど、リコリスにその言葉を言おうとすると、私は決まって何も言えなくなってしまう。


リコリスは、ほとんど何も物を知らない。


自分が住んでいるはずのこの国のことも、世界の広さも。


私はそれを不思議に思う。


だけど、それを彼女に聞くこと……彼女の深い部分へ踏み込むのを、私は躊躇っているのだろうか。


……いや、そうではない。


だけど、やっぱり聞くのはやめよう。


多分、一年に一度会えるから、こうして会えるのが大切だと思えるのだ。


七夕の、有名なあの二人のように。