私以上に美しい彼女の言葉だからなのだろうか。


リコリスにお姫様と言われるのは、なぜか心地良い。


しかし、きっとその時の私の複雑な感情が顔に出てしまっていたからだろうか。


リコリスは私の顔を見て、それから言った。「自分が嫌いなのね。他人にお姫様と言われるのは嫌?」


「うん。」


嘘をつかない私に、リコリスは言う。


「でもね、あなたはそれでもお姫様なのよ。私にとっての。ほら、こんなに綺麗。ねぇ、私が毎年どれだけこの日を待ち焦がれているか分かる?」


リコリスは私の心を射抜くようにクスクスと悪戯に笑い、私の髪をサラサラと撫でた。


「やん。リコリス、くすぐったい。」

「良いじゃない。」


私は多分、今、顔を真っ赤にしている。


リコリスはずっと笑っていて、その顔を見るたび、声を聞くたびに、私の心に嬉しさが込み上がって来る。


そして、リコリスは思い出したかのように私に言った。