「…ここは?」
気がつくと私は一本の木の下にいた。
ふと上を見る。
ーーーーえ?!
な、なんで??
そこには満開の桜
まだ冬なのになんで桜が…?
「ねぇ」
いつの間に春になったんだろう
「ねぇ…聞いてる?」
ずっと桜を見上げていたら
誰かに肩を叩かれた
「…はい?」
そこにいたのは
浅葱色の羽織を着て
腰には立派な刀
「……え…」
この羽織…
し、新選組??
「君、随分と変な格好してるね」
「…へ…ん…?」
ブレザーにスカートに鞄
私のどこが変なんだろう…
私からしたらこの男の人の方が変なんだけど…。
「君、怪しいね」
ニッコリ笑った男の人はいきなり私の手を引いて歩き出した。
「ちょっ…あの!!」
抵抗しようと手に力を入れても
まったく敵わない…
「話は屯所で聞くよ」
と…屯所?