起きた事態をのみこめず、黙っておぶさっていると、街が見えた。
「もしかして第56スラム街!?」
「そうじゃよ」
おじいちゃんはあっというまに街に入った。すぐに走るのをやめて歩き出した。
「すまんのぅ。誘拐じみたことをして。お願いがあるのじゃ。君にしかできないことなんじゃよ」
「え?んー。いいわよ」
「本当かの?わたしゃ嘘が嫌いなんじゃよ。このまま逃げる気じゃろ」
「まさか!いいって言ったじゃない。私たち、この街を探していたの。仲間が倒れてしまってここに先に来たはずなのよ。だから案内をしてくれたお礼に。」
おじいちゃんは私をおろした。
「本当かの?」
「ええ。なんなら枷で繋いでも構わないわよ」
私は優しく微笑んだ。おじいちゃんはじーっと私を見るとやがて笑顔になった。
「枷なんてもっとらん。変わりに手を繋ごう」
私の手を握っておじいちゃんはニッコリ微笑んだ。
「ふふっ。いい案だわ」
