白と黒、そして白濁


サンタクロースみたいな格好をした、まるまる太ったおじいちゃんがいた。

暑そう……!!

「あの人に話しかけてみよーよ!」
波飛が私の手を握っておじいちゃんに駆け寄る。後からゆっくり某も歩いてくる。

「あの、おじいちゃん。お願いがあるんだけどいーい?」
波飛が無邪気に微笑んで言う。

おじいちゃんはこっちをチラッと見ると、私の手を掴んで歩き出した。

「ええ!?」

私が驚いていると、某がおじいちゃんの前に立った。
「じいさん、それうちのこ。誘拐で訴えるよ。嫌でしょ。返せ」

「ほっほっほ!」
おじいちゃんは声を上げて笑った。
「訴えるなら訴えてみろ。もちろん、ここには人っこ一人いないがな!」

そう言っておじいちゃんは私のことをおんぶし、軽快に走った。あまりに一瞬のことで某と波飛は追うのが遅れた。

おじいちゃんはとても足が速く、二人とどんどん差をつけた。